*注意:写真には,他の地域・季節(夏型)に撮影したものも含まれます.
標高帯によって,低地・山地・亜高山と分けました.植生の目安としては以下のようなものです.奥羽山地側では亜高山の植生など、また事情が異なります。
低地:海岸線から標高300 m程度まで。アカマツ林や各種広葉樹林。ケヤキ、コナラ、ミズナラ、シナノキ、ヤマハンノキ、ミズメ、エゾイタヤ、ハリギリなどが普通にある。常緑広葉樹はほぼない。
山地:標高400~800 m程度.広葉樹林が多く、ミズナラやハルニレ、シナノキなどの密度が高まる。ブナ林はやや局所的。ダケカンバはまだ現れないか単木的。早池峰周辺ではヒノキアスナロ林もある。北上山地北部では所によりシラカンバ林。
亜高山:標高800~1,000 m程度.ダケカンバやシナノキ、ヤナギ類などの広葉樹林が多い。中腹ならブナ林も。高原ではシラカンバも生える.山地~亜高山ではカラマツの植林も多いが,本来の分布域ではないのでカラマツ食の蛾はほぼ見られない.標高1,100 mを超えると早池峰・五葉山周辺ではコメツガやオオシラビソなど亜高山性の針葉樹が出現するが,他の場所ではほぼ欠落する。これらを寄主とする蛾も少ない.
個人的に「春に三陸・北上山地で出会う頻度」を★(多い)~★★★(珍しい)でランク付けしました。★★★にはかなりの格差がありますが。調査場所が偏っていたり、年による差もありますので、あくまで目安です。
早春の蛾(3月下旬~4月上旬)
春というよりはまだ晩冬といったほうが良いかもしれない季節.特に出現が早い一部の蛾と越冬種ぐらいしか見られません.関東近辺では,2月下旬~3月前半頃に発生するような蛾たちも,岩手では3月後半まで現れません.
春の蛾(4月中旬~下旬)
木の葉が芽吹きよりも前の季節に発生する蛾たちです.
晩春の蛾(4月下旬~5月上旬)
桜や若葉の緑が競演し,森が最も美しくなる時期に現れる蛾たちです.
亜高山の早春の蛾(4月下旬~5月中旬)
標高800 m以上のダケカンバ帯・亜高山帯針葉樹林や、雪が遅くまで残るブナ帯の春の蛾を紹介します。多雪地では出現が6~7月頃になることもあります。
山地の早春の蛾(4月下旬~5月上旬)
少し標高を上げなければ見られない春の蛾たち。三陸の海岸線では見たことがないが、北上高地の標高300~800 mくらいに生息する蛾たちを紹介。
山地の春の蛾(5月中旬~6月上旬)
ブナ帯やダケカンバ帯,亜高山帯針葉樹林の早春を過ぎた春頃の蛾を紹介します.