ノコメキシタバ
Catocala bella

●分布:北海道,本州中部以北
●成虫の出現時期:7~9月
●食餌植物:ズミ,ナシ,リンゴ,エゾノコリンゴ

リンゴ属やナシ属の樹木をホストとするカトカラ.これらの樹木は山地の高原や湿原に多い.
写真のものは長野県の高原で,湿原を臨む素晴らしいロケーションの宿に泊まった際に宿の灯りに誘われて飛来した.湿原に生えるズミから発生したのでしょうか.この晩には他に同じくズミ食いのハイモンキシタバやカバイロモクメシャチホコも飛来した.
岩手県ではズミやヤマナシの多い高原でライトトラップをしているが,本種を見たことはない.調べてみると,東北地方ではほとんど採れておらず,岩手と青森では全く記録がない.前述のハイモンキシタバは岩手県でもよく見られるのに,不思議なことだ.こうした東北を飛ばして中部山岳と北海道に隔離分布するタイプの蛾は結構多い.亜高山・高山性のものや北東北には少ない針葉樹食いのものに多いが,本種のように普通に山地性で食樹もありふれたものでは珍しい.

▲写真1:2015年8月,長野県富士見町


ヤガ科2 (Noctuidae2)
昆虫類 (Insects)
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