ヤンコウスキーキリガ

ヤンコウスキーキリガ
Xanthocosmia jankowskii

●撮影:2020年7月,岩手県葛巻町

●分布:北海道,本州
●成虫の出現時期:8〜9月
●ホスト:シナノキ

夏キリガの中でもトップクラスの人気を誇る.縁のワインレッドが美しい.独特の色合いと模様は類似したものがない.美しいだけでなく,程よく珍しいことも人気の一因でしょうか.

食草はシナノキと言われているが分布は局所的らしく,日本海側に偏って分布していると言われている.秋田県などの日本海側では海岸線にシナノキが多く,そうした場所には多産するらしい.

一方太平洋側には少ないのか,岩手県には2例しかなかったのだが…三陸はじめ北上山地においては,2018年,2019年の間に5箇所で本種を確認した.普代村,閉伊川沿い2か所,大槌町土坂峠,盛岡市内の高原で得ることができた.三陸ではどうも普通種らしいのだが,三陸の蛾はあまり調べられていないため記録が漏れているのだろうか.岩手県の大蛾類(2011)でも,三陸エリアでの蛾の記録は内陸部に比べて非常に少ない.近年になって増加した可能性も高いと思われる.

不思議と本種には縁があって,まだ本種の存在を知らない頃に知床のキャンプ場でも撮影したのが最初の出会いであった.そのため,残念ながら一度も本種に憧れたことが無かったりする.むしろ,近縁のマダラキボシキリガにはまだ一度しか会えていない.本種狙いの時には外道というのだが…何処にいるのだろう.

●撮影:2018年7月,岩手県宮古市


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