ノウルシ

ノウルシ
Euphorbia adenochlora

●撮影:2018年3月,茨城県

春の河川敷や湿地に生えるトウダイグサ科の植物.茎を折ると白い乳液が出る.早春の河川敷では菜の花の黄色ばかりが目立つが,その中に在来種である本種の黄色を見つけると嬉しくなる.

湿地や河川敷の環境悪化に伴い数を減らし,国の準絶滅危惧種に指定されている.関東の低地では,野焼きや草刈りによって保全された湿地や河川敷の草地で大群落が見られ,埼玉県田島ヶ原のサクラソウ自生地などでは,絶滅危惧種であることを感じさせないほどの勢いで繁茂し優占種となっている.しかし,それ以外の場所では稀.

関東低地でノウルシが生えるような環境やその周辺では,サクラソウ・ハナムグラ・ミゾコウジュ・アマナ・レンリソウのような希少な草原性・湿地性植物がともに生育している可能性があります.これらの植物に出会うためには,早春の本種が繁茂して黄色く目立つ時期にポイントを見つけておくと良いかもしれません.

写真を撮影した茨城県の河川敷では,野焼きがされているエリア以外にも本種の生育が所々にありました.増水時に浸水して,大きな草や木があまり育たない場所なのでしょう.


キントラノオ目(Malpighiales) / 植物(Plants) / Top-page