タカネイブキボウフウ
Libanotis ugoensis var. alpicola
●撮影:2015年7月,長野県白馬村
●分布:中部地方の高山帯
●花期:7~8月
北・中央・南アルプスと八ヶ岳の高山帯に分布するイブキボウフウの高山型の変種.イブキボウフウとは風貌が大きく異なり,花束のように10個前後の花が輪のようにまとまってつくのが特徴.他にも,背が低く膝下くらいの高さにしかならないこと,花が開く前の蕾が写真のように赤紫色になることが挙げられる.花は開くと普通のセリと同じく,白色になる.
北海道~東北の高山には見られない.おそらくは寒冷地に由来するものではなく,温暖化に伴ってイブキボウフウが高山帯に適応したものなのだろう.写真のものは,2015年7月中旬に登った白馬岳で出会った.イブキボウフウと同じく,やや乾いた環境を好むようで,稜線上や砂礫地付近の草地に多く見られた.