ミズバショウ

ミズバショウ
Lysichiton camtschatcensis

●撮影:2015年7月,長野県白馬連邦

●分布:兵庫県以北~北海道
●花期:4~7月

雪国の湿地に多く見られる植物です.春,雪解け後に清楚な白い花を咲かせます.人気のある植物で,北日本では各地の群生地が春から初夏にかけての観光資源となっています.東北地方の奥羽山地周辺山間部では名もない湿地に雑草のように生えていて,群生地の有難みはあまり感じませんが,間違いなく春~初夏を象徴する植物です.

ひとくちにミズバショウの群生地といっても,その環境は高山帯の雪渓脇にある雪解け水が流れる沢だったり,ブナ林の林床にある沼地だったり,低地の水に浸ったハンノキ林だったりと様々だ.ただし,水に浸りきるような深い沼地や流れの強い渓流には出現しない.

雪国では湿地も多く本種の出現する環境もありふれたものですが,西日本では珍しい植物で,兵庫県養父市に南限の自生地があります.また太平洋側では少なく,岩手県でも奥羽山脈では普通種だが,北上高地や太平洋側では珍しい.岩手県の西部で多数見られるのは,岩洞湖や櫃取湿原のようなかなり内陸側の高標高地に限られている.最も近くにあった遠野市の群生地は,鹿の食害によって壊滅してしまったらしい.

長野県白馬村では標高600mほどの市街地周辺にも群生地が点在しており,花期は5月上旬頃です.そこから高山帯まで幅広く分布しており,雪解けとともに7月下旬ころまでどこかでミズバショウの花を見ることができます.東北地方から北海道にかけても同じことが言えます.

ミズバショウが保全管理された群生地では,大規模な開発はされずに草刈りや間伐のような最低限の人の手が加えられていることが多く,珍しい植物や昆虫が残っていることが多い.季節を変えてミズバショウの群生地に行ってみましょう,既にミズバショウは葉だけになっていますが,湿地性の珍しい生物が出迎えてくれるかもしれません.


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