エゾスズメ
Phyllosphingia dissimilis dissimilis
全国の山地帯に分布する大型のスズメガです.ホストはオニグルミが知られています.オニグルミは関東以南の平地では河川敷ぐらいでしかい見られない植物ですが,東北地方ではニッチが広く河川敷から山の林縁まで幅広く生育しています.
東北地方に住んでいると一番よく見かけるスズメガの一つなので,有難みが全くないのですが,とんでもなく美しいスズメガです.年に何十個体と見る蛾ですが,写真の完品個体を見たときにはさすがにため息が出てしまいました.擦れているとただカッコいい模様とフォルムをした程度の蛾(これだけでも非常に美しい蛾)ですが,新鮮な個体は色も妖艶な紫色を帯びていて反則的な美しさを誇ります.
やや山地性のようで,関西ではいつものポイントでオニグルミをホストとするアミメリンガやヒメハイイロカギバを見ることはできていましたが,本種は見たことがありませんでした.初めて見たのは東北地方で蛾を探し始めてからです.
▲写真1:2019年7月,岩手県大槌町
スズメガ科 (Sphingidae)
昆虫類 (Insects)
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