ヤシャビシャク
Ribes ambiguum

●分布:本州~九州
●花期:4~6月

ブナやミズナラ、トチノキの樹幹に着生する落葉低木.別名:天の梅とも呼ばれる.いかにも高嶺の花という感じがして,とても良い名前だ.空中湿度が高く,大木が林立するブナ極相林に行くと出会えることがある.普段は樹上にあるため間近で見ることは難しいが,倒木上に残っていると間近で見ることができる.着生植物の中では比較的個体数が多く,フガクスズムシなどがあれば本種も一緒に見つけられることが多い.
これまで岩手県内の2か所,秋田県内の1か所で見つけられたが,環境が整っているとそこそこ多く産するようだ.キジマソトグロナミシャクはスグリ類を食餌植物とする珍しい蛾であるが,国内では本種から発生することが知られている.ヤシャビシャクが生育するブナ極相林なんて,そうどこにもある訳ではない.どうりで珍しいわけだ.
写真のものは,早春に運良く倒木上に着生している株を見つけており,1か月後に確認に行くと美しい花を咲かせていた.花期ドンピシャだったのでとても嬉しかった.

▲写真1:2020年5月,岩手県北上高地

▲写真2:2019年6月23日、秋田県中部


ユキノシタ目 (Saxifragales)
植物 (Plants)
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