ヤマシャクヤク
Paeonia japonica

●分布:北海道~九州
●花期:4~5月

山地の落葉樹林に生える多年草です.芍薬,あるいはボタンの仲間です.花が大きく美しいため,盗掘の対象にもなってしまう植物です.盗掘による影響か,普通の山では中々見られない珍しい植物ですが,石灰岩地や貧栄養な土壌では大群生が見られることがあります.山野草ブームも落ち着いたうえに鹿の不嗜好性植物であるため,これから増えていってくれる植物かもしれません.
3裂する葉は特徴的なので,花がついてなくても存在に気づくのですが,葉だけではベニバナとの区別はできません.本種を専食するカミキリにフタスジカタビロハナカミキリがいます.実はこの写真にも写っているのですが,お気づきでしょうか.
写真のものは富士山麓のカラマツ林の斜面で見かけました.この場所では数百株が斜面に点々と生えており,今まで見た中で一番の群落でしたが,富士山麓にはこれ以上の群生があるようです.今まで,四国の剣山や鈴鹿山地の霊仙山,富士山山麓で見たことがあります.
岩手県では点々と分布しているようですが,まだ出会ったことがありません.また,県内では特に石灰岩地に多いこともないようです.

▲写真1:2019年5月、静岡県富士山麓


ユキノシタ目 (Saxifragales)
植物 (Plants)
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