シラネアオイ
Glaucidium palmatum

●分布:本州中部~北海道
●花期:6~7月

中部地方以北の多雪地深山にのみ生える植物。沢沿いや湿った林縁、草地に群生する。雪解け後すぐに芽生え、大きな紫色の花を咲かせる。清涼感溢れる本当に美しい花で、この花を見ながら沢水を汲んでいると、登山の暑さも吹き飛んでいく。
日光白根山に大群落があったことから、シラネアオイと名づけられた。日本固有属・固有種で、似た植物が世界中のどこにも分布していない。かつては独立した科も設けられたほど特異な植物である。キヌガサソウやトガクシソウと共に日本海側の深山を象徴する植物といえるでしょう。私は、日本を代表する花は、桜よりもシラネアオイであるべきと思っている。
東北地方では奥羽山脈などのブナ帯上部から高山帯の湿性草原でよく見られます.秋田駒ヶ岳のムーミン谷では至るところに本種がみられ,群生地として有名です.7月の北アルプスでは、雪渓脇の灌木林に本種が多数群生している様子を、縦走の間に何度も見ることができて非常に眼福であった。
太平洋側には少ないが,三陸北部にはわずかに生育地が知られている.太平洋側でも下北半島まで行くとかなり普通に見られるようになるらしい.なんと山形県沿岸部には、標高100 m足らずの丘陵地にまで自生地があり、4月上旬にニリンソウやイワウチワと同じ時期に開花する。この場所は地域住民の散歩道になっており、珍しい花であることをみんな知っていて毎年の楽しみにしているようだった。

▲写真1:2018年6月9日、岩手県雫石町

▲写真2:2020年4月4日、山形県鶴岡市

▲写真3:2021年6月19日、岩手県八幡平


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