オオミスミソウ
Hepatica nobilis var. japonica f. magna

●分布:本州日本海側
●花期:3~5月

北陸低山の早春を代表する花。特に新潟県や山形県の多雪かつ海に近い低山で多く見られる。日本海側は雪が多く春が遅いイメージがあるが、海際の低山の春は驚くほど早い。3月中旬には雪が解け始め、まだ湿り気の残った林床に一斉に早春の花が咲き乱れるお花畑が現れる。
その中でも最も美しく興味深い花が本種,オオミスミソウだろう.白,桃色,紫,青っぽいものまで花色に変異が大きい.花びらの色,雄蕊雌蕊の色まで変異に富んでおり,全部で何パターンあるのだろうか.私の花探しは基本的に色々な種を見つけることが目的だが,本種の場合はバリエーションを揃えたくて同じ種でもずっと探し続けてしまう.
花がない時期でも,大きなクローバーのような葉が特徴的なので見つけやすい.本種の葉は常緑で,いわゆる春植物ではない.東北地方の内陸部には基本的に分布していないが,花巻市に隔離分布地があるという.西日本や太平洋側には,ミスミソウやスハマソウという変種関係の種がいる.これらは,オオミスミソウほど色付きの花が多くない.
写真1~3は、本種の群生で有名な新潟県の低山で出会った。目当ては本種とコシノコバイモ、ナニワズ、ナガハシスミレだった。割と早く見たいものは揃ったので後半はずっと本種のバリエーションを探して歩いていたが、色合いの美しいものは採取されやすく少ないようであった。この日は日差しが強く花もしおれ気味で、いい写真があまり撮れなかった。

▲写真1:2019年3月、新潟県

▲写真2:2019年3月、新潟県

▲写真3:2019年3月、新潟県

▲写真4:2020年3月29日、岩手県花巻市

▲写真4:2020年3月29日、岩手県花巻市


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