●分布:富良野西岳など
●花期:6月
北海道の限られた地域にのみ分布する大型のキケマン属の多年草。背丈は1 mほどにもなる。渓流沿いの水際に群生する。草丈に比べると小さめの3 cmほどの桃色の花を房状につける。茎はもろくすぐにポロっと折れそうになる。
不思議な分布と圧倒的な姿で、本種の存在を知るとすぐに憧れの種となった。初夏の北海道、道東から千歳に戻る途中でこの山に寄る予定を作ることができた。自生地まで沢沿いの登山道を登っていくと、小群生地が現れた。小さな沢の水際にびっしりと群生していた。生育地では同じくらいの高さのアキタブキと競っており、生育の脅威となっているかもしれない。特殊な環境を要求しているようにも思えず、水っぽい茎で成長も速そうな見た目をしているが、不思議にも自生地の沢の下流には全く出現しなかった。
▲写真1:2023年6月25日、北海道富良野西岳