オニバス
Euryale ferox

●分布:本州(新潟県以南)、四国、九州
●花期:7~9月の午前中(開放花)

花だけ見ると外来スイレンのような異国風の植物だが,これでも日本に昔からいる在来の植物.葉や茎には棘が多く,これにうっかり触れてしまうとものすごい痛いらしい.
生息地では本種だけで水面を埋め尽くす.本種は特にその勢力が強く,ヒシですら駆逐してしまう.見た目も相まって,まさに水生植物の王者.撮影した水元公園の管理池では開放水面が全くないほどであった.
希少種だが,自治体をあげて保全管理されている自生地も多く,ポイントを見つけること自体は難しくない.ただし,見学に行く際には注意点がある.
最も重要なのは花が開くのは午前中であること.午後にはしぼんでしまう.観察地によっては,午後には開放すらしていない場合もあるので注意が必要だ.私は実際に一度,これを知らずに自生地に行って途方に暮れたことがある.
また多くの水生植物の例に漏れず,花はだらだらと少数が咲き続けるので,池の場合は必ずしも近くで見れる花が開花している保証はない.双眼鏡などを用意したほうが安心でしょう.この写真も数メートル先にある花を150-600mm望遠レンズをフルに伸ばして撮影したもの.
もう一つの注意としては,外れ年や環境悪化によって見られなくなることも結構あるので注意.こればかりは事前に今年の情報を得ておくか,何か所か候補を用意しておくしかない.

▲写真1:2015年8月、東京都水元公園

▲写真2:2015年8月、東京都水元公園

▲写真3:2015年8月、東京都水元公園


スイレン目 (Nymphaeales)
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