ハネモンリンガ
Kerala decipiens

●分布:北海道〜九州
●成虫の出現時期:6〜9月
●食餌植物:ヤマハンノキ,ダケカンバ,ヤハズハンノキ

翅を丸めてとまる変わった形の蛾.ほんのりと緑色がかる翅色が美しい蛾だ.細長いフォルムとこの色合いは,地衣類のついた落枝にでも擬態しているつもりなのだろうか.パッと見では何科かも分からないが,コブガ科という答えが分かってもあまりピンと来ない.この科に分類される蛾の共通の特徴は正直よくわからないのだ.
このハネモンリンガにはちょっとした謎がある.寄主植物もダケカンバはともかく,ヤマハンノキは岩手では全く珍しくないありふれた樹木で,岩手に移ったら幾らでも見ることの出来る蛾であろうと思っていた.しかし,岩手に移った最初の年の2018年にはシーズン中に外灯やコンビニのみではあるが東北中で蛾を探したにも関わらず,本種に全く一度として出会うことが出来なかった.珍しい種類なのかと思って2019年は頑張って探そうと思っていたら,2019年には本当にどこでライトトラップをしても飛来するほど多数見られた.
幾らでも見ることの出来る蛾,という予想は当たっていたのだが,2018年はなぜ1個体も見れなかったのか.もしかして,発生数に周期があったり??ちなみに2020年以降は2019年ほどではないが普通に見られた.

▲写真1:2019年6月,岩手県宮古市

▲写真2:2020年6月26日、岩手県遠野市


コブガ科 (Nolidae)
昆虫類 (Insects)
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