キイロキリガ
Xanthia togata
深秋の落葉広葉樹林に出現する黄色い秋キリガ.本属にはよく似た黄色いキリガが2種類いますが,本種が最も普通種です.他の2種とは,鮮やかな黄色をしていることと茶色い模様が広範囲であることで見分けられます.分布範囲はヨーロッパからアジア,北アメリカまでの全北区の冷温帯と幅広い.ホストははっきり分かっていませんが,多食性のようです.
いかにも黄色い落ち葉に擬態したような見た目ですが,紅葉が始まるよりも前に姿を消してしまいます.これは多くの秋蛾に共通していて,個人的に秋蛾の謎だと思っています.
これまでに山梨県の標高1,500mの渓谷沿い,群馬県の土合駅の地下階段で出会っています.いずれも10月中旬です.東北地方では,9月~10月にかけて各地で見られます.低地では同属の中で本種の個体数が最も多いのですが,高標高地ではモンキキリガのほうが多いように感じます.
▲写真1:2018年10月,岩手県宮古市
ヤガ科4 (Noctuidae4)
昆虫類 (Insects)
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