ウスハイイロケンモン
Subleuconycta palshkovi

●分布:北海道、本州、九州

北海道と九州中南部に分布するケンモンヤガの仲間。北方系のケンモンヤガに思えるが、九州にも点々と産地がある。
[観察手記:写真1、2]
写真1、2の個体(同一個体)は、九州本土の中でも温暖な鰐塚山地の照葉樹林で得られた。まさかこんな場所で出会うとは思わなかった。この産地と北海道に共通するものとして、個人的にハルニレが発生源として怪しいと思っている。ハルニレは本州では高標高地に限られるが、宮崎県南部低地ではなぜか川沿いに多産するし、道路沿いにも幼木が普通に見られる。辛うじて遺存しているような雰囲気は全くなく、群集の主要な一員となっている。同日はテイチキシャチホコやナチアオシャチホコなどの南方の蛾に混じって、ミミモンエダシャクやマルモンウスヅマアツバも飛来し、まるで北海道のようなメンツが集った。九州では、他に熊本県の緑仙峡でも見たことがある。

▲写真1:2022年7月9日、宮崎県南部

▲写真2:2022年7月9日、宮崎県南部

▲写真3:2023年6月25日、北海道むかわ町


ヤガ科3 (Noctuidae3)
昆虫類 (Insects)
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