●分布:中部地方以北~北海道
●花期:5~7月
亜高山に生える北方系のスミレ.近縁種にチシマウスバスミレがあるが,本州ではより珍しい.チシマウスバスミレでは葉の縁に毛があり,もっと鋸歯がはっきりしているらしい.
写真のものは八幡平山頂部で撮影した.梅雨のまっただ中,一日雨の中での散策で目当てのフガクスズムシも時期が早くて見れず,帰路に向けて消沈気味に,八幡平の秋田側から岩手側に向かっていた.標高1,400 mを超えたあたりから,雲を突き抜けて太陽が顔を出した.
まだ日没までは1時間以上はある,せっかくなので山頂まで登ってみることにした.八幡平は車道から30分で山頂部まで行ける超お手軽な百名山だ.キヌガサソウ・ベニバナイチゴ・オオバキスミレなどの東北らしい高山植物と共に,まだ見ていなかった本種を見ることができた.高山でどこでも見かけるミヤマツボスミレよりも控えめな姿で美しい.
▲写真1:2019年6月、岩手県八幡平