●分布:北海道~九州
●花期:3~5月
早春の林内に咲くスミレ。スミレ類の中でも最も花期が早い種の一つ。同じ時期に既に花を咲かせているスミレはタチツボスミレぐらいだ。タチツボスミレと異なりやや日陰に多く、明るめのスギ林や谷沿いで見られることが多い。
花茎や葉柄に毛が多く、花は少しひしゃげたような形をしている。花の柱頭が鉤爪状に曲がるのが、本種やエゾアオイスミレ、イブキスミレの特徴である。夏には葉が大きくなり、小さなフキのように見えることからヒナブキとも呼ばれるらしい。よく似た北方系のエゾアオイスミレは側弁に毛が生える型もあり、葉が尖り気味になる。
▲写真1:2020年3月29日、岩手県花巻市