●分布:本州日本海側(山形~石川県),静岡・福島・山梨・岐阜県など
●花期:3~4月
主に日本海側の低山に産するバイモ属の春植物.撮影地のように日本海側の低山であれば本種だけなので識別に困らないが,どうも本種は飛び地的に山梨県や岐阜県にも分布するらしい.
山梨県にはカイコバイモ,岐阜県にはミノコバイモも分布しているが,どう識別すればよいだろうか.バイモ類の6枚ある花びら(花被片)は3枚ずつ内花被片と外花被片に分けられる.本種では内花被片に毛のような突起が目立つことが大きな特徴だ.2枚目の写真のように,重なっていてこの特徴が見えないこともあるので注意が必要だ.
2019年3月はバイモ属をテーマに中国地方を旅行しましたが,帰り際に学会が開かれた神戸から新潟を経由して,本種を見に行った.日本海側低山の春は早く,3月半ば頃から雪解けとともに春の花が大量に咲き乱れる.その景観も一度は見ておきたいと思ったのです.
目星をつけた山は麓はスギ林,頂上に向かうにつれ日本海側らしい落葉広葉樹林となった.登り始めて程なく,スギ林内の登山道で木漏れ日を浴びて咲く本種を発見できた.この山に咲く春植物の中では,本種はやや少なめの印象であった.
▲写真1:2019年3月、新潟県
▲写真2:2019年3月、新潟県