●分布:北海道~九州
●花期:4~6月
早春に美しい花を咲かせ,夏には地上部を枯らしてしまう春植物スプリング・エフェメラルの代表.
元々住んでいた関西阪神間では生息地が少なく中々見ることの叶わなかった植物ですが,長野県北部や日本海側の多雪地の里山では,本当に視界一杯に咲き乱れるような大規模な群落が見られる.鈴鹿山地や関東の山地の落葉樹林でも高密度に見られる場所がよくあります.
岩手県の太平洋側でも自生地は少なくないが小規模な群落が多く,日本海側ほど大規模な群落は見たことがない.春植物の本場はどちらかというと日本海側の多雪地域だが,あまり雪深い場所でも駄目なようだ.雪深いブナ林では,林床の雪が解ける前に樹木の葉が繁って暗い森になってしまうからかこの手の植物は少ない.雪解けが早い低山が主な生息地となっている.
カタクリの名所はよく管理された明るい落葉樹林であることが多いので,春の終わりや夏に再訪するとキノコやランなど意外な珍種に出会えることも多い.各自生地では春にカタクリを見せるだけではなく,カタクリを中心として他にも様々な生き物が見られることを伝えていって欲しいと思います.
▲写真1:2014年5月、長野県白馬村
▲写真2:2014年5月、長野県白馬村
▲写真3:2019年4月21日、岩手県花巻市
▲写真4:2019年4月21日、岩手県花巻市