●分布:中国地方、四国、九州
●花期:7~8月
山地草原に生育するユリの仲間。花は小さく、径5 cmほど。7~8月上旬頃に鮮やかな緋色の花を咲かせる。ノヒメユリやコオニユリは下向きに花をつけるが、本種は上向きに花をつける。
大陸系の遺存植物で、九州では由布岳、くじゅうや阿蘇周縁の山地草原にみられるが、ごく一部のよく管理された草原でしか見られない。中国地方や四国の山地草原にも少数だが分布が知られる。個人的に、阿蘇の七名花の一つに数えている。
東北地方にも隔離分布していた個体群がいたようだ。八戸市近辺などに産し、ミチノクヒメユリと呼ばれた個体群もあるが、おそらく既に絶滅しただろう。かつては、野焼き草原やアカマツ林の伐採地に出現していたという。今は園芸種として生き残っている。
▲写真1:2022年7月17日、熊本県南小国町
▲写真2:2022年7月17日、熊本県南小国町