●分布:
●花期:
本州~九州の緩やかな河川沿いや湿地,水田の草地に見られる植物で,水に浸かるような場所に生えています.茎は太く,食用にもなるようです.
よく似た帰化植物にオオカワヂシャがあり,そちらの方が全体的に大きく花も目立つので,混成しているとどうしてもオオカワヂシャの方に気を取られてしまいますが,隠れるように咲いている在来のカワヂシャを見つけられると嬉しくなります.
千葉県北部では小規模ながら湿地が数多くあるので比較的普通に見られる植物のようですが,岩手県から鹿児島県まで多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されており,環境省でも準絶滅危惧種に指定されています.多くの湿地性植物と同じく,減少著しいことが知られています.
これらの原因は,単に湿地の減少だけではなく,オオカワヂシャとの競争による可能性も指摘されています.また,先ほど混成しているとオオカワヂシャに気を取られると書きましたが,実は訪花昆虫にとっても同じことが起き,花粉媒介においてオオカワヂシャよりも不利な状況になっているのかもしれません.
▲写真1:2019年5月,千葉県柏市