イワタバコ
Conandron ramondioides

●分布:本州(岩手県以南)、四国、九州
●花期:7~8月

夏の盛り、薄暗い沢沿いや岩陰でひっそりと鮮やかな桃色の花を咲かせるイワタバコ科の多年草。花は星形。湿った岩壁に群生する。この花のせいで、ピンクの花=涼しげという感覚ができてしまった。
熱帯域に多いイワタバコ科としては最も寒冷地に適応した種であり、岩手県田野畑村が本種の北限とされている。大槌町内の不動の滝にも自生しているが、まだ花をつけた株は見つけられていない。北限地域では、あまり花をつけられないのかもしれない。豪雪地帯である兵庫県の氷ノ山でも標高1,000 m付近の高さで見たことがある。関東以西では大群生することも多い植物で、房総半島や四国・九州低地の渓谷林へ行くと、ものすごい量が生えている。
写真4は山都町のトンネル入り口に生えていたイワタバコ。人の生活と自然が共存しているような状態で、これはエモい。

▲写真1:2016年8月、東京都奥多摩町

▲写真2:2022年7月18日、熊本県阿蘇市

▲写真3:2022年7月18日、熊本県阿蘇市

▲写真4:2023年8月5日、熊本県山都町


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