●分布:本州、四国、九州
●花期:2~4月
至る所で見られる外来種のイヌノフグリ類ではなく、在来種のイヌノフグリ。昔はどれくらい見られたのかは分からないが、現在は昔ながらの石垣が主な成育環境で、比較的歴史のある公園、寺社の石垣などで見つかることが多い。数は減少しており、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、39県で県レッドリストの絶滅危惧種に指定されている。花は晴天でなければ開かないので注意。
フラサバソウとよく間違われるが葉の質感が全く異なる。フラサバソウでは表面に毛が密生しているのに対して、本種では滑らかで弱いつやがあり、毛は少ない。一度観察できれば間違うことはない。
写真のものは、兵庫県須磨区の山陽電鉄鉄橋下の石垣に着生していた。比較的歴史があるだろう線路沿いの石垣には本種が生えているかも、という読みが見事に当たりました。歴史がある建造物周りの石垣ということで、他にも大学や城跡、駅舎などが候補となる。むしろ市街地に多い植物なので、是非探してみていただきたい。写真2は、京都大学周りの石垣に生えていた。この時は曇天で開いている花を見つけられなかった。
▲写真1:2019年3月、兵庫県神戸市須磨区
▲写真2:2019年3月、京都府京都市