●分布:北海道~南西諸島
●花期:7~9月
明るく乾燥した草地に生える半寄生性の植物.嘴が目立つ花の形を見るとシオガマ類に近縁であることがよく分かる.茎や葉,萼には細かい毛が密生している.
ビロードトラノオが生えるという情報を頼りに,とある神社へ至る急斜面の道を上がっていった.道中は何の変哲もないスギ林で,珍しい植物が生育する雰囲気は全くなかったが,神社の裏に回ると突如下側に絶壁が現れ,目当ての種に加えて本種が生えていることに気がついた.周りの岩場を探索すると,本命のほうは降りなくても撮れそうな位置に咲いている株があった.本種も初見であったため是非とも撮影したいが,こちらは岩壁を少し降りなければまともに写せない場所に咲いていた.慎重に岩場を下りていき,何とか本種を撮影することができた.周辺にはイワギクらしき野菊の葉も確認された.そして八戸という立地,おそらくこの場所は石灰岩の岩壁だったのではないかと思う.
▲写真1:2019年8月、青森県八戸市