サケ
Oncorhynchus keta

本州でサケといえば基本的に本種を指します.シロザケとも呼ばれます.早春に孵化した稚魚は,遠くベーリング海まで回遊し,主に4年後日本に産卵のために回帰します.遡上する時期の個体は独特の模様が表れ,東北地方ではこれをブナとも呼びます.岩手県大槌町や宮古市,山形県鮭川村などでは自治体の象徴的な魚となっています.
所属している研究所では秋から冬にかけて,サケの調査が行われています.その調査に同行し,川を遡上したサケを撮影できる機会がありました.体がボロボロになって目も見えず感覚が鈍っているのか,ゆっくり近づけばほとんど逃げようとしません.この写真を撮影した河川では震災以降に孵化放流が行われておらず,おそらく自然産卵に由来する個体であるそうです.
岩手県以北の河川ではどこでもこのような光景が見られると思うのですが,特に孵化場のある河川沿いでは漁業関係者が密漁にピリピリしていることも多く,この時期に無断で川に入って撮影することは避けたほうが良いかと思います.

▲写真1:2018年10月,岩手県小槌川


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