オオタニワタリ
Asplenium antiquum

●分布:紀伊半島以南~南西諸島

樹幹や岩上に着生する大型のシダ植物。屋久島以南にはシマオオタニワタリやヤエヤマオオタニワタリが分布するが、本土周辺に分布するものは本種である。絶滅危惧Ⅱ類にランクされているが、宮崎県南部や大隅半島では珍しいものではない。しかしやや局所的ではあって、神社境内の樹幹や自然度の高い川沿いに限られる。
[観察記:写真3] 和歌山県南部の海岸近くの林を歩いている時,岩場に生えているのを偶然見つけた.和歌山県の本土には自生のものはほとんど残っていないというので,本当に自生していたものかどうかは分からない.それに,人為的に植栽をしているという話も聞く.しかし山道に生えていたもので,しかも北限近い和歌山県では岩の上に生えるという自生環境にぴったりだったので,写真のものはごく僅かに残っているという自生の株だったのではないかと考えている.場所は有名な植物観察地などでは全くない.写真のオオタニワタリは,近くのダイビングサービスで講習を受けた後に,休憩時間で近くの集落から入れた山道を探索して発見したものである.場所は今でも大体覚えているので,健在かどうかいつか確認しに行きたい.

▲写真1:2022年9月25日、宮崎県宮崎市

▲写真2:2022年9月25日、宮崎県宮崎市

▲写真3:2014年3月、和歌山県串本市


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