ヒナノキンチャク
Polygala tatarinowii

●分布:本州、四国、九州
●花期:7~10月

背の低い草原という限られた環境に見られる小さな植物.好石灰植物ではないといわれるが,生息地の多くは石灰岩地の草原.
写真のものは,福島県の観光地にもなっている石灰岩地に群生していたもの.ここでは駐車場脇の草地にゴロゴロと石灰岩が転がっていて,本種がたくさん生えていた.三連休中で観光客がたくさんいたが,この植物を目当てに来ていたのは私だけだった.
同じ属にはヒメハギやカキノハグサなどが含まれるが,この仲間は生息環境も形態も似ていない植物が多い.岩手県でも岩泉カルスト地帯に知られているが,まだ見たことはない.全国的にかなり少なくなっている植物だが,石灰岩地や野焼きが行われている山など草原環境に細々と生き残っている.絶滅危惧IB類とはいえ,まだ簡単に見に行ける植物であることが有難い.

▲写真1:2018年8月,福島県


マメ目 (Fabales)
植物 (Plants)
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