フシグロセンノウ
Lychnis miqueliana

●分布:本州~九州
●花期:8~9月

珍しいオレンジ色の花を咲かせるナデシコの仲間。世界にも似たものがない日本固有種。赤に近いオレンジ色の花を咲かせる植物は、国内ではユリやカンゾウ、ヒオウギなどがあるが、いずれも明るい草地に多い植物で、森林内でこの色を見かけることは中々ない。
花は比較的大きく、車で走っていても特徴的な花が目に入る。まるで人参の飾り切りだ。あまりに作り物みたいなオレンジなので、野山に自生する花と思えない。
晩夏の山地によく生えている普通種だが、秋田や南九州などでは既に絶滅したらしい。南九州はともかく、秋田県内は本当に無いのだろうか。おとなりの岩手県内では、北上盆地周辺の里山でも普通に見られる植物なだけに疑問である。奥羽山地の高標高地で隔たれておらず、北上市からもせいぜい標高400mでつながっている横手市などにはきっと残っているのではと思ってしまう。(追記:秋田県のRDB2014によると、絶滅種からIA類に格下げされており、少数は確認されているよう。)

▲写真1:2019年8月、岩手県大槌町

▲写真2:2019年8月19日、岩手県宮古市


ナデシコ目 (Caryophyllales)
植物 (Plants)
Home