ウツロベニハナイグチ
Boletinus asiaticus

カラマツ林に生える美しい小型イグチ.傘の表面がフェルト状でぬいぐるみのようなキノコだ.美味しそうな色をしているが,食用にはされていない.毒性は確認されていないが,少なくとも味・食感はよくないという.出現環境が同じで,形態的にもよく似た種にカラマツベニハナイグチがあるが,本種では柄の色がつばより上で鮮やかな黄色,つばより下で傘と同色の紅色になっている点で見分けられる(2枚目の写真が分かりやすい).
写真のものは,山梨県の富士山五合目付近の針葉樹林で出会った.富士山は林床が苔むしたカラマツの天然林が多く,カラマツ系のキノコをきわめて高密度にみることができる.信州や岩手の山地でもカラマツの植林は多くカラマツ林のキノコを見つけることは可能だが,富士山ほど高頻度で見ることは中々できない.

▲写真1:2016年9月,山梨県富士山

▲写真2:2016年9月,山梨県富士山


イグチ目 (Boletales)
菌類 (Fungi)
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