●分布:大雪山系、夕張山系、北日高山系、羊蹄山
●花期:7~8月
高山帯の風衝砂礫地にへばりつくように生えている高山性のトウヒレン。背は低く、葉はごわごわとしている。葉の表面には白いくも毛がついており、これが名前の由来である。
チベットなどの高山に分布するトウヒレン類には、もっと大きな綿毛に覆われたセーター植物というものがある。本種もわずかにその特徴を持っているのではないかと考えている。葉の裏側にも白い綿毛があるものはユキバトウヒレンという品種らしいが、現地では確認していなかった。他にもホソバエゾヒゴタイ、タカネキタアザミ、オオタカネキタアザミなどの品種が知られており、葉の形状や葉の裏側の綿毛の有無などで区別できるらしい。
2014年の8月中旬、大雪山の高山帯で撮影した。お鉢回りの稜線は広く平坦でひたすら風衝草原が広がっており、本種だけではなく多様な高山植物を楽しむことができた。
▲写真1:2014年8月、北海道大雪山