ツリガネニンジン
Adenophora triphylla var. japonica

●分布:北海道~九州
●花期:6~10月

各地の草地に見られる植物.珍しい花や虫を求めて晩夏の草原を訪れる人々を,涼しげな藤色で出迎えてくれる.海岸草原・田畑脇の草地・山地草原・ススキ草原・乾燥した岩場や尾根の露岩帯,半日陰の林縁などに分布する.明るい環境を好むが,攪乱の激しい空き地や河原ではあまり見かけない.
基本的には晩夏~初秋にかけての花だが,海岸草原では早く6月に咲き出す株も存在する.典型的な半自然草原を好む植物で,地方ではまだまだ普通種だが,都会や深い森ではあまり見られない植物になっている.まだ見かけない年はないので普通種に思えているが,実際には減少著しい植物の一つであると思われる.若芽はトトキと呼ばれ,山菜の中でも特に美味なものとして知られている.
晩夏~初秋の草原性蛾類の多くが本種に集まるので,本種がたくさん生えている場所を目印にしてポイントを決めると良い.大きな草原内で,本種が多数咲いている場所とそうでない場所の2地点で同時にライトトラップをしたことがあるが,本種の咲いている場所のほうが圧倒的に成績が良かった.

▲写真1:2019年,青森県八戸市


キク目 (Asterales)
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