トウゲブキ
Ligularia hodgsonii

●分布:北海道,東北地方
●花期:7~8月

東北地方~北海道の亜高山,高山帯の湿原脇などの明るい湿性草原に生えるメタカラコウ属の多年草.青森県北部や北海道では海岸草原にも出現する.十三湖から竜飛崎への道中にはトウゲブキの群生があり,北国に来たことを思わせる.
よく似たマルバダケブキとは分布域が分かれているようで,混生しない.トウゲブキは栗駒山・飯豊連峰あたりに南限がある.東北地方ではマルバダケブキは亜高山には出現せず,低山の林内に生える植物である.
大学時代入っていたサークルの部室には山渓カラー名鑑の日本の野草があり,昼休みにはずっとその本を眺めていた.本属は確かかなり最初の方(だったか?)に出てくるので何度も図鑑で見た印象がよく残っている.
当時すでに見たことがあった本属植物はオタカラコウくらいで,他の種もいつか見てみたいと思っていた.その中でもトウゲブキは名前からも深山の植物という雰囲気が感じられ,どんな場所に生えている植物なのだろうという憧れがあった.今では奥羽山地の亜高山で労せず見ることができているが,かつての憧れの花ということで出会う度に足を止める植物である.

▲写真1:2019年8月,岩手県焼石岳


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