アキノハハコグサ
Pseudognaphalium hypoleucum

●分布:東北~中部地方
●花期:9~10月

河原や岩場などに生育するハハコグサの近縁種。一年草。環境省絶滅危惧IB類、岩手県レッドデータAランクの希少な植物。ハハコグサと異なり、秋に花を咲かせる。ただしハハコグサにも秋にもよく咲くので注意したい。ハハコグサよりも明らかに大型。茎が上部でよく分岐し、その先端に多数の頭花をつける。白い毛はハハコグサでは両側に生えているが、本種では葉の裏にのみ生えている。
写真のものは,津波後にできた造成地の草地に生えていた.周辺とはちょっと異なる造成地で,マサ土のような花崗岩質の砂礫が盛土されている.周辺の山から削られてきたものだと思うので,そこに種子が混じっていたのかもしれない.2015年時点では植生が皆無で,それから5年経ってコシオガマやメドハギが大量に生えていてヤマハハコも見られる.樹木はイヌコリヤナギやアカマツ,ハギ類などの低木が生育していた.山田町に昼食を食べに行ったときに偶然見つけた.車道に面しており,すぐに何か建物が立ってしまいそうな場所で,そうでなくとも遷移によってすぐ消滅しそうだ.
2021年には、同地域で何か所か群落を確認した。山田町北部~宮古市南部にかけての限られた範囲の町中の造成地に普通にみられる。特に、うち1か所は1,000株はあろうかという大群落であった。今後も安泰かというとそうではなく、遷移や開発によって容易に消失するだろう。

▲写真1:2020年10月3日,岩手県山田町

▲写真2:2020年10月3日,岩手県山田町


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