●分布:北海道~九州
●花期:5~7月
山地のやや湿った落葉樹林林床に生える多年草.初めて出会ったのが氷ノ山のブナ帯だったので,勝手に日本海側多雪地のイメージを持っていたが普通に太平洋側の高尾山や筑波山などにも産する.
山菜としても利用できるが,あまり多くないので収量は見込めない.北海道ではアズキナとも呼ばれる.ゆでた時の香りが小豆をゆでた時の香りに似ているという.
ユキザサの仲間は他にハルナ・ヤマト・ヒロハが知られるが,いずれも本種より大型.ハルナは花被片が本種より幅広い.ヤマト・ヒロハは花が緑色なので一目瞭然かと思えば,ヤマトには白い花を有するものもあるらしい.
茎の様子も似ているのでどう見分けるのか中々分からなかったが,花をアップで見ると分かるようだ.本種は両性花をつけるのに対して,ヤマト・ヒロハは雌雄異株なので一つの花に雄蕊と柱頭の両方はない.稀にあるという緑色のユキザサも同じ方法で見分けられる.写真2は花のアップ.本種は,雄蕊と柱頭が両方ある両性花をつける.
▲写真1:2020年5月16日、岩手県花巻市
▲写真2:2020年5月16日、岩手県花巻市