ギョウジャニンニク
Allium victorialis subsp. platyphyllum

●分布:近畿以北~北海道
●花期:6~7月

深山に産するネギ属の多年草.樹林帯の湿った林床や沢沿いに生育する.岩手県でも得ることができるが,その生育地は少なく高標高地に多い.私の知る岩手県内の生育地は,平坦な地形に成立したカツラやハルニレ,ダケカンバなどの樹林帯で,林床はかなり湿っておりササ類が全く生えていない.
成長に時間がかかる植物で,花を咲かせる株はとても少ない.花のつかない株は初夏頃には葉を落としてしまうが,花を咲かせる株は夏頃の開花まで葉を残す.
採取する際には,同じ環境に見た目の似た有毒植物スズランも大量に生えているので注意する必要がある.というより,岩手の自生環境ではスズランの大群生に紛れている本種を見つけ出すことになる.
成長が遅いので間引くように採取すること.希少なのと,スズランとの判別が信用できないので,ギョウジャニンニクの採取は一人で行くようにしている.醤油と鶏ガラを混ぜたものに一晩漬けたものをご飯に乗せて食べるととても美味しい.

▲写真1:2020年6月、岩手県盛岡市

▲写真2:2018年5月、岩手県盛岡市


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