オオハナウド
Heracleum lanatum

●分布:近畿地方以北~北海道
●花期:5~9月

山地~亜高山に見られる大型のセリ科植物.春咲きのセリで5~6月頃に花が見られるが,遅い場所では7~8月にまでずれ込むことがある.北海道大雪山では,もう晩夏という8月中旬に花を見たことがある.
他の大型セリとの区別は,花を見ると一目瞭然である.本種の外側の花は5放射相称ではなく,1つの花弁だけが大きく伸びていて左右相称になっている.近縁のハナウドとの識別は微妙で,本種のほうが葉の切れ込みがより深い.分布が重なることはほぼなく,北海道~東北や中部地方の亜高山帯以上で見られればまず本種で間違いない.
写真のものは青森県種差海岸で出会ったもの.東北地方ではどこでも見られる植物なので,特にここで撮影する意味はないのだが,ちょうど他のセリと見比べるいい機会だったので撮影していた.その割には葉の形状が分かりやすい写真が撮れていませんでしたが.
東北地方の特に日本海側~奥羽山地周辺や北上高地西部のような多雪地域では非常に数が多い.初夏に山間部を訪れると,本種の大群落に囲まれて道の両側が真っ白に染まっている光景を目にすることがある.三陸地域でも普通に見られるが,日本海側のように至る所で見られるほどではない.大槌町周辺ではトンネルや沢近くの北向き斜面で局所的に見られる印象.

▲写真1:2019年6月、青森県種差海岸

▲写真2:2019年6月、青森県種差海岸


セリ目 (Apiales)
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