●分布:北海道~九州
●花期:8~10月
日当たりの良い乾燥地に生えるセリ科植物.同じような環境にイブキボウフウが見られるが,本種のほうが全体に小さい.本種は花期が遅く,秋が深まってから開花する(少なくとも私が知る自生地では).イブキボウフウとの確実な見分け方は,本種では分果側面が滑らかであること(写真2).岩手県内では背が低く,葉の切れ込みが深いカワラボウフウっぽいイブキボウフウがよく見られるので注意が必要.
大槌町吉里吉里半島では1か所で毎年9月末~10月上旬頃に開花する小群落がある.アカマツ林内の道路沿いの林縁で,日当たりが良くやや乾燥した条件である.付近ではアカネスミレやオカトラノオ,センブリ,シャクジョウソウ,ウメガサソウなどが見られる.
本種やカラフトニンジン,ハナビゼリ,ヒカゲミツバなど秋に咲くセリ類は,影が薄いのか情報が少ないように思う.初夏から散々同じようなセリ類を見てるので,見落とされているのかもしれない.
▲写真1:2021年9月29日,岩手県大槌町
▲写真2:2021年9月29日,岩手県大槌町