ハリギリ
Kalopanax septemlobus

●分布:北海道~南西諸島
●花期:7~8月

全国に分布するウコギ科の落葉高木。冷温帯の谷沿いでは、ケヤキやトチノキなどと共に立派な巨木がみられる。南西諸島では変種リュウキュウハリギリが分布する。葉は掌状で5~9裂する。若木では、ヤツデのように切れ込みが深いものも見られる(写真2)。
新芽は山菜として食用になる(写真3)。爽やかな風味と濃厚なコクがあり、私は毎春たくさん採ってきて天ぷらにして消費する。タラの芽やコシアブラよりも断然好みである。これら2種と違って競争が激しくないのも嬉しい。山菜採取が盛んな地域だと、採りやすいタラの芽はまず見つからないが、ハリギリが採れないことはない。
花期は冷温帯では7~8月と盛夏~晩夏の花である。冷温帯では最も遅くに開花する落葉高木であろう。この時期に咲く落葉高木は他にあまりないので、見落としがちである。
福岡市の海沿いでは、初秋の雰囲気も過ぎた10月中旬になってやっと花期になるらしい。たまたま遅い個体なのかなと思ったが、山肌に白く染まった木がたくさんあって、どうやら今の時期に咲くもののようであった。東北地方では7月中旬頃には咲いているものもあるので、暖地では早まるものかと思ったら、かなり遅くずれるようで驚いた。しかし標高500 mほどの山地では7月頃に開花していた。もしかすると秋に咲く別種があるのかもしれない。

▲写真1:2022年10月21日、福岡県福岡市

▲写真2:2021年6月13日、岩手県花巻市

▲写真2:2021年6月13日、岩手県花巻市


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