ザゼンソウ
Symplocarpus renifolius

●分布:本州(近畿以北)、北海道
●花期:4~5月

山地の早春に湿地で不思議な花を咲かせるサトイモ科の植物。鯨の肉のような不気味な黒赤色の大きい花を咲かせる。この属の植物は発熱植物であることが確認されており、周りの雪を溶かして花を咲かせることもある。花の香りは臭く、発熱と臭いによって早春期の数少ない送粉昆虫を呼び寄せる。
写真のものは長野県白馬村内の湿原で撮影した。同じような環境にミズバショウが出現し、混成することも少なくないが、不思議なことにこの湿地は本種のみが見られた。ミズバショウよりも、本種のほうが生育地は少ない。ミズバショウは東北地方日本海側や北海道では、道沿いの名もなき湿地にいくらでも群生しているようなありふれた植物だが、本種はちゃんとした湿原以外ではあまり出会わない。分布範囲も狭く、ミズバショウとは違って亜高山帯以上で会うこともない。
また,本種はミズバショウのように湿地の水に浸かりきるような場所ではなく,湿地の端などに少数見られるイメージです.6~7月に見られるような場所も聞いたことがないので,人里の近くで比較的早くに雪が解ける場所でなければ分布していないようだ.

▲写真1:2014年5月、長野県白馬村


オモダカ目 (Alismatales)
植物 (Plants)
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