ヒメカイウ
Calla palustris

●分布:北海道,本州中北部の湿地
●花期:6~7月

北国の湿地にまれに生えるミズバショウモドキともいえる植物。ミズバショウよりも花は小さく、葉もハート形でつやがある。花がないと質感・形状・サイズともにミズアオイによく似ている。
東北地方、北海道ではミズバショウはありふれた植物であるが、本種の自生地は少ない。ミズバショウは見たことがあっても、本種は見たことがない人も多いだろう。
ミズバショウの偽物みたいな植物だが、世界的にはミズバショウよりも本種のほうがメジャーな植物。ミズバショウは極東に分布し、近縁種が北アメリカのみに分布する一方、ヒメカイウは北半球に広く分布し、アメリカ大陸からイギリスまで幅広く分布している。ロシア・サンクトペテルブルクを訪れた際、道路沿いの水路にコウホネのような葉の植物が群生しているのがバスから見えたが、もしかすると本種だったのかもしれない。
東北地方では奥羽山地周辺に何か所か知られている自生地があるが、一般登山道もないような山奥の湿地帯が多く、簡単に出会える場所は限られている。

▲写真1:2019年6月、山形県沼の台


オモダカ目 (Alismatales)
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