イイジマキリガ
Orthosia ijimai
●撮影:2019年4月,岩手県宮古市
●分布:北海道,本州,九州
●成虫の出現時期:4月
山地性の春キリガ.出現時期は早く,ちょうどホソバキリガやオカモトトゲエダシャク,越冬キリガなどと同時に見られることが多い.比較的高所に現れる種類なので本州ではやや珍しい種類とされているが,岩手県内では低地から普通に見られる.
チャイロキリガに似ているが,本種では前翅の色はより暗く,亜外縁線の前端に白い斑紋がない.本種は色自体は濃いが,何かパサパサとした質感をしていて白っぽく写ってしまうため,撮影の難しい種である.
岩手県宮古市の山間部にある無人駅に飛来していた.この日は,4月としては妙に気温が高い日で,標高800mのダケカンバ帯でも夜間に12度の気温があるほどでした.これは蛾がたくさん出ているだろうと思い,80km先のポイントまで夜通しの外灯回りに出かけました.最後には雨が降ってきましたが,初めて見るモンハイイロキリガやウスアオキリガなど,期待通り様々な蛾に出会うことができました.