イチゴキリガ
Orbona fragariae pallidior
●分布:北海道、本州、四国、九州
●成虫の出現時期:10~4月
●寄主植物:
腹部の虎柄模様が特徴的な大型の越冬キリガ。灯火にも飛来するが、糖蜜トラップでよく得られている。多食性だが、あまり多く見られない。樹林帯にも生息するが多くはない。草原環境やその周辺の疎林では個体数が多い。大型なので、飛んでいるのを見るとすぐに本種だと分かる。
[余談]
東北を去る3日前、悪あがきで某幻の蛾を探しに八戸市の海岸草原を訪れた。既知産地からは比較的近い半自然草原で、かつこの時期に蛾が活動しているならこの場所ぐらいだろうと思って訪れた。セリ科草本もエゾボウフウ、ハマボウフウ、エゾノヨロイグサ、エゾノシシウド、マルバトウキ、ハマゼリ、オオハナウドと種々が揃っている。2時を過ぎ、撤収前の霧雨の中、キリガ形の蛾が飛んでいたのを見つけたので発狂しながら近寄ると、残念ながら本種だった。越冬後の割には美しい個体だったので撮影した(写真1)。肝心の幻の蛾は糖蜜にもライトにも来ていない、ここにはいなかったのだろう。