ササクレヒトヨタケ

ササクレヒトヨタケ
Coprinus comatus

●撮影:2019年9月,岩手県大槌町

畑や道端などの腐食がたまった場所に生える腐生菌.イタリア語でコプリーヌと呼ばれる.食用菌で,ヨーロッパでは高級食材として珍重される.

従来ヒトヨタケ科に属していたが,遺伝的な解析によってヒトヨタケとはかなり異なる系統関係にあることが分かった.ヒトヨタケと違ってアルコールと一緒に食べても中毒症状を起こさないことからも,本種が系統的に大きく異なる事実が伺える.食用にする場合は,写真のように傘が開いていない個体を採取する.

写真のものはちょうど食べごろだが,近隣で工事が行われており日常的にダンプが頻繁に通る道沿いであったため,採取を遠慮した.その後,別の場所で採取する機会がありバター炒めにして食べてみた.味に癖はないが,ふにゃふにゃで歯ごたえはない.

▲発生後,一日ほどで黒く液化しはじめる.腐敗ではなく自身の出す酵素によって溶ける.


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