大槌町周辺の生物観光案内

吉里吉里海岸(大槌町吉里吉里)
 大槌町で最も大規模な砂浜海岸.海中には広大なアマモ場が広がっており,タチアマモやスゲアマモも確認されている.砂浜にはハマヒルガオ,ハマエンドウ,コウボウシバ,コウボウムギ,テンキグサなどの海浜植物が多くみられ,北海道と岩手県のみに分布するエゾノコウボウムギの生育も確認されている.周辺の海ではコクガンやシノリガモ、クロガモにも出会えます。

町方湿地(大槌町)
 かつて市街地があった場所に,震災後に誕生した湧水湿地.「ダーウィンが来た」にも紹介された陸封型イトヨとニホンイトヨ(イトヨとは別種)の交雑個体が生息している.
タコノアシ,ミズアオイなどの湿地性植物,ミヤマアカネ,モートンイトトンボ,ハラビロトンボなど減少しているトンボ類が多くみられる大変貴重な環境を有していた.一部は湿地環境を残したまま公園化されたが,2020年冬に大規模に造成されたために湿地の規模は3~4割ほどに縮小した.

源水川(大槌町)
 湧水の流れる小川沿いに遊歩道が整備されています。水中を覗くとイトヨの魚影が見える他に、秋には繁殖を控えたサケも見ることができます。植物ではバイカモ、カワヂシャ、ミズハコベ、サナギイチゴなども見ることができます。

片岸海岸(釜石市)
 海藻の打ち上げが多く,ハマダンゴムシやヒョウタンゴミムシなどの海浜昆虫類も多い砂浜海岸.植物ではウンランやハマボウフウ、ハマナスも見られる.

片岸公園(みのすけ沼)・鵜住居川河口(釜石市)
 かつてみのすけ沼という一級湿地があった鵜住居川河口に湿地環境を残した公園が作られました。鵜住居川を遡っていくと

新山高原(大槌町・遠野市)
 大槌町の西部に位置する標高約1,000 mの高原.標高700 m以上に平坦な土地が広がっており,牧場や牧草地に利用されている.住民による狩猟,渓流釣り,山菜採り,きのこ狩りなどの場にもなっている.5月には標高800 mほどの中腹にある牧場脇でズミが咲き乱れて美しいので特におすすめ。標高800 m以上には美しいダケカンバ林がみられる.山頂部には展望台があり、この周りでコキンバイやアズマギク、ナナカマドなどが見られます。急増しているニホンジカはもちろん、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ホンドキツネやノウサギにもよく出会える。
見られる花:ホソバノアマナ,ニリンソウ,カタクリ,コキンバイ,アズマギク,ズミ,ヤマナシ,クリンソウ,ウワミズザクラ,ナナカマド,ヤグルマソウ,バイケイソウ,レンゲツツジ,コバイケイソウ,ベニバナイチヤクソウ,クガイソウ,キリンソウ,マルバダケブキ,オオウバユリ,ノリウツギ,リンドウ,センブリ,タチコゴメグサなど.

土坂峠(大槌町・宮古市)
 大槌川沿いの道を登りつめると、土坂峠に至る。標高750 mあり、冬には雪景色に包まれるが、冬期も閉鎖されず通行することができる。峠の最上部にはブナやダケカンバもわずかに見られる。哺乳類との遭遇頻度が高いエリアで、夜にこの道を走るとツキノワグマ・ホンシュウジカ・タヌキ・アナグマ・ウサギ・テン・ハクビシンなどにしばしば出会える。峠の最上部と宮古市側は特に美しい落葉広葉樹林が広がっていておすすめ。ただ、鹿の密度が高いためか林床が豊かとはいえない。コマガタケスグリやルイヨウボタンなどの植物も見られます。

仙人峠(釜石市・遠野市)
 釜石市から遠野市にかけての峠。広葉樹林が美しく、秋は紅葉の名所としても知られる。峠付近は石灰岩地であり、道路沿いから川を渡った岩壁付近にはクロカンバ・ヒロハヘビノボラズ・マルバサンキライなども見られる。