ツシマトリノフンダマシ
Paraplectana tsushimensis
●撮影：2019年9月，岩手県釜石市
●分布：本州～沖縄
テントウムシのような模様の珍しいクモ．見つかるとニュースになるほどの珍品だったが，最近は知名度が高くなって色々な場所で報告されている．オスはメスよりも遥かに小さく，一度しか見つかっていないらしい．昼は葉の裏に潜み，夜に網を張るという．
写真のものは，岩手県釜石市の砂浜で地引網をした時に見つかった．何を言っているかわからないと思うのでもう少し詳しく説明したい．もちろん地引網にかかった訳ではない．砂浜で地引網をした後にウェーダーを脱ごうとすると，何故かこのクモがウェーダーの胸あたりにくっついていた．車を止めた道路から，地引網を行う砂浜へはイタドリなどの繁茂する草藪を歩いていく必要がある．この草藪にいたと考えるのが妥当であろう．おそらく私が一番先に降りて行ったためにうまく引っかかってくれたのだと思う．
それにしても，私以外の人間にくっついていたらその価値はわからずに適当に投げ捨てられていただろう．そう考えただけで，恐ろしい．おそらく岩手県初記録，北限更新であると思われる．
